2017/4/23 プラスチックでできたおもちゃの指輪

f:id:Ikirkashinu:20221105145631j:imageのような四年間だった。とても軽くて中も空洞で何の価値もないような、そんな大学生活だった。ひとから見たらそうかもしれないけど、ガラクタのようなこの指輪の価値は、わたしにしかわからない。中は空洞で何も詰まっていないようで、記憶の引き出しを開ける匂いがたくさんぎっしり溢れんばかりに詰まっている。ボロボロになって指輪としての役割を果たせなくなったって、わたしは死ぬまでこの指輪と一緒に生きていく。時々匂いを嗅いでは思い出して勝手に悲しくなって悔しくなってまたまた勝手に心を痛めたり、それ以上に面白さと楽しさのあまり笑ってしまって心にひだまりを作ってくれたり、寄り添い一緒に歩いてくれたり、背中をさすって励ましてくれたり、柔らかな温もりを纏って抱き締めてくれたりしながら。

2017.4.23