2020/2/17 絶望が最後ではない

ジョジョラビットを観た。最初から最後まで面白いくらい泣きっぱなしだった。臆病さが、素直さが、強がりが、優しさが、恐怖が、不安が、悲しみが、さびしさが、いとしさが、虚無が、怒りが、迷いが、絶望が、希望が、自由が、とにかくありとあらゆる方向から、すべての感情と思いと有様とまなざしがわたしに向かって貫いた。受け取りきれなかった。耐えきれなかった。堪えきれなかった。涙となって出てきたそれがあらわすものは、一言では決して形容できない。そのときそのときで流れた涙の意味はすべて違うから。ただはっきりとわかるのは、最後のシーンで流れたわたしの涙の意味は、光で溢れて眩しすぎたからだ。希望に触れることができた喜び故だろうか。それとも、目に見えぬ愛の形が浮かび上がり見えた故だろうか。縛られていた魂が、自由になった故だろうか。ふたつの命と魂が交わり踊り出したとき、わたしはどうしようもなく心が震えるのを感じた。心の震えを感じたとき、自分のこころの輪郭を一瞬だけ感じられる。わたしはちゃんと生きてることを、教えてくれる。生きることは地獄で、最悪で、それでも踊りたくなる瞬間があるのを知っている。その瞬間が、わたしを生き長らえている。生き続けるよ。絶望さえも、出会えたなら手をつないで。